ヒジって10回言ってみて

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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのレビュー

hijime満足度 99点(100点中)

 

Guardians of the Galaxyは、アメリカの批評サイトのインターネット・ムービー・データベースで8.9点(/10点)、rotten tomatoesで93%の批評家から支持を受けるなど、非常に評判の高い作品であることは見る前から知っていた。

スターウォーズの再来だ!」とまで評価する人もいた。

私は原作のGOTGを知らないのもあって「本当にそんなに絶賛されるほど面白いのだろうか?」という不安はあった。
しかし実際見てみると、二時間があっという間に過ぎ、飲み物にもほとんど手を付けていないほど夢中になって見ていた。
大変満足し、上映中に何度も「終わらないで欲しい」と思ったほど。
現時点で私の2014年ベスト映画となった。


本作の魅力は5人の個性豊かなキャラクター達にある。
女好きでお調子者のスターロード、緑肌の女殺し屋のガモーラ、見た目アライグマの凄腕メカニックであるロケット、「私はグルート」しか発言できない木人グルート、ナイフ使いの筋肉男ドラックス。

中でもロケットのかわいい外見とワイルドな中身のギャップ、グルートの天然っぷりに笑わせられた人も多いのではないだろうか。

 ちなみに私はドラックス推しでございます。

比喩が理解できないという脳筋っぷり(そういう文化のない種族なのかもしれないが)と、空気を読まない性格、単純な性格ゆえの他人に対する素直な態度等が萌えポイント。
曲者キャラが多いので、彼の存在がより引きたったのも一因である。


もう一つの魅力は音楽の使い方が素晴らしいところだ。
それは選曲の素晴らしさもあるが、ストーリーに音楽を絡めた作り方を特に評価したい。
ママから託された音楽は、スターロードと仲間を結びつけるための重要なアイテムになっている。

しかも単なるBGMではなく、スターロード愛用のウォークマンから曲を流すことによって『キャラクターとともに観客がその音楽を聞いてる』状態にしたので、キャラ達との一体感を存分に味わうことが出来るのである。
出撃のシーン、そして例のシーンと、音楽を通じて観客もガーディアンの一員になれた気分になったのではないだろうか。

重要部分の歌詞は字幕で出るし、曲調でどんな曲かはわかるので、曲や歌詞を知っていなくてもさほどのマイナスにはならないことも上げておこう。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:最強 Mix Vol. 1(オリジナル・モーションピクチャー・サウンドトラック)

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:最強 Mix Vol. 1(オリジナル・モーションピクチャー・サウンドトラック)

 

 演出も素晴らしい。

顔に青アザを作りながら「カエルを守りたかった」と語る少年が、次の場面では大人になり、爬虫類らしき生物をノリノリで蹴っ飛ばしてる。
ひどいシーンだが、とってもガン監督らしいシーンである(笑)
このシーンだけで「少年から大人になる時に色々あったんだろうな」と説明してしまう手腕は見事。


ガン監督のことをよく知るには『スーパー!』という作品がおすすめ。
ただし、傑作ではあるがグロいシーンもあるので注意を。


主人公達は戦闘能力やメカの知識に長けたキャラクターではあるが、みんながそれぞれ大切なモノを失った負け犬達である。
そんな負け犬達が「銀河の守護者になって、一花咲かせようぜ!」と奮起する姿は燃える。
人々がヒーローを欲していたのではなく、彼らのほうがヒーローになることを欲していたのだ。
スターロードが奪われたウォークマンを取りに戻るシーンは、この映画が「大切なモノを取り戻す」物語であることを示している。
このクッソ燃える展開、いいねぇ。

 

ここから先はネタバレを含みます

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この映画で一番おいしいのは、やはりアライグマのロケットさんだ。

普段は荷物や銃を片手で担ぎ、つばを吐き、チンポジを直す等ワイルドな振る舞いが多かったが、ラストでは泣きながら鉢植えを両手でしっかり持つロケットさんがマジ可愛いっす。
ドラックスから撫でられた時、しっぽが一瞬「ビクッ!」ってなる所もいいねぇ。かーいーね。
普段アライグマらしいところを見せずに、ラストまでいってアレだからね。
完全にやられました。


伏線回収も見事。
ガモーラを助けるシーン。
あそこでスターロードは「ヒーローっぽい心」に目覚める。
冒頭の「カエルを守りたかったんだ!」という少年らしい気持ちに重なる。
そして、ガモーラ姉さん=緑の肌=カエル=助けなきゃ!という感動的な(失礼な)図式ができる(笑)
カエルを守ろうとした少年は、ガモーラ見て少年の心を思い出し、やがて銀河のガーディアンになる。
守るもののスケールがでかくなっただけで心は子供の時のままなのが良い。

 

スターロードの特技・ダンスが最終決戦で役に立ったのも良い。
ちゃんとキャラ同士の『協力攻撃』があったのも素晴らしい。
つーかロナンさん、あんた空気読みすぎだろ(笑)
ドン引きしてるガモーラ姉さんも良い味出してた。

最後にダンシング・ミニグルート。あれ、あのままの姿のまま商品にしてくれませんかね。